◆妖精

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ごめんごめん。 ちょっと驚いただけ。 あたしは、セレネ。 もしかして言葉、分かるの? 今度は、普通の声音で優しく語り掛ける。 この水には不思議な力がある。 あなたがここの泉の水を飲んだから、わたしたちの言葉が分かるようになった。 妖精はそう答えるとにっこりと笑った。 へぇー そうだったんだ。 魔法の泉かぁ・・ そうだ、きみ・・名前はあるの? シルフ、 わたしはシルフ。 妖精の囀るような言葉は、頭の中で自分が理解できる言葉に変換される。 シルフ・・か・・・  ところで、きみの他にも仲間は居るの? その問いに妖精は、少し悲しそうな顔をして、首を横に振った。 何かわけがありそうだが、自分としては一刻も早く人の居る町に行かなければならない。 もし妖精がついてくるなら、追々聞けばよいだろう。 泉の水を持っていた鞄に入っていた水筒に汲んだ。 よかった。 これでしばらくは飲み水の心配をしなくて済むだろう。 シルフ、あたしに付いてくる? 出発する前に孤独そうな妖精に聞いてみる。 シルフはコクコクと頷き、一緒に来るという意思を示した。 よし、それじゃあ、出発だ! シルフ、行くぞ!
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