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「幸せになって!」
ユキタは静かに微笑んで、<ありがとう>とだけ唇を動かした。刹那美にも似た彼の笑顔を、あたしは生涯忘れないだろう。
ああ、そうだったんだ。人間はこんなにも美しい。
あたしは搭乗口へ吸い込まれるユキタを見送って、ババアのもとへ走った。警官2人がババアともめている。
「急用だったんだって言ってるだろうが!細かいこと言ってないでさっさと暴走族でも捕まえてきな、小僧ども」
ババアの声を聞いたあたしの顔に笑みがこぼれた。
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