9人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
俺が知っている古徳は、ざっとこんな感じ。
うん、どう考えても別人じゃないか。
だって古徳は、はじめて手を繋いだ時、頬を赤らめて照れながら笑ってた。
触れるだけのキスをした時、ぎこちなく「緊張するね」なんて言っていた。
そう、俺の知る古徳はこういうヤツだ。
性的なことに慣れていなくて、それでもリードしようと頑張っているようなヤツだった。
出会って1年、付き合って1ヶ月半。
少しづつ友達から恋人に変わってきて、今回はじめて誘われてここにいる。
「今日は、離れたくないんだけど…、いい?」
なんて、緊張で少し上ずった声で。
俺だって、そろそろかな?とか少し考えてたから、黙って頷いた。
死ぬほど恥ずかしくて、いつもより入念に風呂で身体を洗い、震える手で古徳の部屋のドアノブを捻っていた。
男同士なんて初めてだし、何が何だか分からない。
けど古徳となら何とかなるかなって考えてたんだ。
可笑しくなったのはここからだ。
最初のコメントを投稿しよう!