after short story 5(律side)

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自分が仕出かしたことにガクリと肩を落とす。 とりあえず今すぐ会社に戻って兄に事情を話し、土下座を100万回しよう。 そう決意した俺は放り投げていたスーツを手に取ると、おねーさんの横をスッと通り過ぎた。 でも、またすぐ振り向くことになる。 「律くん、待って」 こんな風に、おねーさんに呼び止められたから。 どうしたのかと首を傾げれば神妙な面持ちのおねーさんは、そのまま深く頭を下げる。 これには驚いて言葉も出ない。 「お願い、します。パーティーの準備…手伝って、ください」 絞り出すような声が静かなキッチンに響く。 どれだけ人に頼ることに慣れてないのだろうか。 辿々しいお願いの仕方が、おねーさんの不器用さを表しているようだった。 おねーさんがゆっくり頭を上げると視線が重なって、いつも覇気のない目をしているくせに、やたら真剣な眼差しを向けてくるから戸惑った。
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