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「ぶっちゃけちょっと羨ましいなって思うくらい、おねーさんは兄さんの心を独占してるんだよ」
おねーさんを悲しませないように、寂しくさせないように、心の傷を癒せるように、笑顔できるようにっていつも馬鹿みたいに必死になっちゃって。
あー、考えたらまた腹立ってきた。
「ねぇ、律くんって…」
「ん?なに?」
「聡のこと大好きなんだね」
「…っはぁ?」
ガタン、と変な音がする。
手元が狂ってニンジンが星型ではなく、ヘンテコな形に抜けていた。
そんな俺を見て、おねーさんは「意外と分かりやすいんだね」と言う。揶揄う感じではなく、真顔で。
…いやいや。誰が誰を好きだって?
あんな馬鹿兄貴、大好きなわけないし。
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