after short story 5(律side)

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何年前だったか実家でクリスマスパーティーした時、俺サンタコスしたな。 実家のお堅い雰囲気を和ませたくて髭とウィッグまでつけてウケを狙ったのに、あの時の父と兄の冷めた目ときたら…大滑りだった。 ということは、実家に置いてたあの小道具を持ち出したってことか…それもシュールすぎる。 「まぁ日下が止めたところで兄さんは聞かないだろうからそのままでいいよ。でも髭とウィッグは、やんわり変だってことを伝えて外させて」 『聡様にそのような無礼な事を申し上げてもよろしいのでしょうか…?』 「んー、平気平気。その二点は女性ウケが悪いらしいとでも言えばイケるでしょ」 『かしこまりました…その方法でやってみます』 「ん、よろしくー」 電話を切ると、再びため息が漏れた。 日下も大変だな… 兄の付き人なんて相当な忍耐力が必要なのに。 今度会ったら労いの言葉をかけておくとしよう。
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