after short story 5(律side)

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ルーフバルコニーからリビングに戻ると、そこにおねーさんの姿はなかった。 外に出てすっかり冷えたから温かい飲み物を淹れてもらおうと思ったのに。 キッチンにもいないし…どこ行った? 広い家の中を探し歩いていると、幾つかあるベッドルームの中の一部屋がガチャ、と音を立てて開く。 後ろから聞こえてきた音に振り向いてみれば、部屋から出てきたのはミニスカサンタ姿のおねーさんで度肝を抜かれた。 「電話日下さんだったんでしょ?聡、帰ってくるって?」 こういう服を着た時に、こんな平然としてるリアクションの人初めて見た。 もう少し恥じらうとか、モジモジしてスカートの裾引っ張るとか男心を擽る仕草が出来ないものかね。 ま、ブリブリした感じの女の子を嫌う兄からすればこのくらいドライな方がいいのかもしれないけど。 「もうじき着くはずだよ。それ着てお出迎えするの?」 「うん。ちょっと…ビックリさせようかな、って」
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