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無数のダイヤモンドが散りばめられている羊歯状の結晶。
それが兄の手によっておねーさんの首元に付けられると、キラキラ光を放ち、輝きを増していた。
「できた」
「…ありがと」
「ネックレスも、その服も似合ってる」
「うん」
「さっきは可愛すぎて言葉が出なかった」
「…あっそ」
愛想のない言葉や態度とは裏腹に、おねーさんの顔はどんどん赤くなってる。
後ろ姿しか見えてない兄もそのことに気付いたのか、小さく口元を綻ばせていた。
へぇ…この二人、俺が思ってるよりずっと深く想い合ってるみたい。
俺もこの家にいることを完全に忘れてるのか、二人の世界に入ってるのか、どっちなのかは知らないけど…
なんか玄関先でイチャイチャし始めたからもういいや。気が済んだし帰ろ。
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