キスの日SS

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「可愛く誘えるようになったな」 「…んっ」 唇と唇が触れ合うだけのこの行為に、意味を持たせてくれるから。 もっと、もっと、って貪欲にさせてくれるから。 「聡…好き、だよ…」 「俺も」 愛し方がぎこちなくても、愛することが下手くそでもいいんだって思わせてくれるから。 だから…求めてしまう。 私の唇に触れていた彼のそれは、次第に首筋と喉、胸元を行き来するように繰り返し落とされていく。 「知ってるか?キスは場所によって意味があって、」 「意味?」 「首は“執着”、喉は“離したくないという強い欲求”、そして胸は…“所有”」 「ふふっ…怖すぎ」 「そうか?俺は桃華に相当執着してるし、ずっと離すつもりもないし、一生俺だけのものだって思ってる」 「…」 「俺だけの、桃華…」
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