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「どうした?」
「…芽衣子が結衣ちゃんのこと気にしてる」
「それなら心配ない。安心して楽しんでくるようにと伝えておけばいい」
「いや、でも…」
「よし、絵本持ってきたことだし読むか」
「…」
目を細め、柄にもなく優しく笑う彼の視線の先には小さな小さな女の子がいる。
そう。それは芽衣子の愛娘、結衣ちゃんだ。
どうやら結衣ちゃんに絵本を読んでくれと催促されたらしく、彼は用意しておいた絵本を取りに行っていたようだった。
彼の膝にちょこんと乗せられている結衣ちゃんは、その絵本に興味深々なのかキャッキャと笑っていて…
目の前のこの奇妙な状況に、私の頭は未だに付いていくことができずにいた。
えーっと……、
そもそも、どうしてこんなことになったんだっけ。
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