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内心ドキドキしながらも改まった雰囲気になるのが嫌で淡々と話していく。
芽衣子は、最初こそ驚き戸惑っていたけれど…
時に深く頷いて、時に鼻を啜り、時に涙を流して、最後まで私の話を聞いてくれた。
そして、全てを話し終えた時…
私は芽衣子の腕の中にいた。
桃華のバカーッ!って、泣きながら怒る芽衣子は、泣いているのは自分なのに私の背中を摩ったりして。
謝らないといけないのは嘘をついていた私の方なのに、ごめんね、ごめんね、って芽衣子の方がたくさん謝って。
気付けば、芽衣子の腕の中で私の頬にも涙が伝ってた。
芽衣子が私を受け入れてくれた。それが嬉しくて…やっと、本当のことを言えた。それも嬉しくて。
今度一緒に両親のお墓参りに行かせてほしいと言ってくれた芽衣子は…温かい人。
初めてできた大切な親友を失いたくなくて隠し続けた過去。そして吐き続けた嘘に、終止符が打たれた瞬間だった。
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