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そして食事を終え、結衣ちゃんの様子を見に芽衣子と共に別室へと移動したとき。
________事件は…起きた。
たった一時間。
それだけの間に…信じられないほど結衣ちゃんが彼に懐いていたのだ。
両手を挙げて抱っこをせがむ仕草を見せたり、
持参していた絵本を指さして読んでと催促したり。
しまいには…パパ!なんて言われてたり。
芽衣子の旦那さん、家のことは芽衣子に任せきりで育児も全然しないってさっき愚痴ってたけど…
ご飯を食べさせてくれたり、遊んでくれる彼のことをまさか本当にパパだと思っているのでは…?
そこからが大変だった。
帰る時間になっても結衣ちゃんは彼から離れようとせず、離そうとすると大泣きして…
いつも人から怖がられるはずの彼が、ここまで子供の心を掴むだなんて一体誰が予想していただろうか。
どうにも駄々を捏ねる結衣ちゃんに、芽衣子はお手上げ状態。
子供の扱い方なんて分からない私は、当然何もできず…
そんな時、満更でもなさそうな彼が芽衣子に向けて呟いた言葉が今に繋がっていたりする。
『たまには夫婦二人で出掛けてみるといい。そしたら新鮮な気持ちになって仲が深まる。子供?そんなの俺が見てるから心配ない』
______そして、今に至る…というわけだ。
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