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そんなわけで今日、芽衣子と旦那さんは二人きりで海に出掛けているのだ。
以前、結婚したことを後悔してると言っていた芽衣子だけど結衣ちゃんのことを考えると離婚は避けたいようで。
だから今日は夫婦の仲を今一度見直すべく、初心に帰って新婚時代を思い出そうというのが狙いらしい。
まぁ、私も芽衣子には幸せでいてほしいけど…
正直、人様の大切な娘さんのお世話を庶民離れしている彼に任せて大丈夫なのか不安でしょうがない。
今にも、とんでもないことを言い出しそうで…
「桃華、」
「ん?」
「今すぐどこかのプールを買収しようと思うんだけど子供用プールが豊富なところ知ってるか?」
「は?突然何言ってんの?」
「いや、だって…」
彼の目線を追ってみると、そこには楽しそうに絵本を読んでいる結衣ちゃんの姿がある。
広げていたのは、ちょうど動物達がプールで気持ち良さそうに遊んでいるページだった。
たしかに、結衣ちゃんプールの絵を見て大興奮してるけど…
だからってプールを買収だなんて発想は庶民の私には到底考えられない。
想像以上にとんでもないことを言い出したと唖然とするばかりだ。
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