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それから彼がパソコンに向かって仕事に集中し始めると、もうその話題が続くことはなかった。
さっき電話で今日中に仕上げなきゃいけない仕事があるって言ってたっけ。
近くにいると気が散るかもしれないし…
邪魔しないようにと、ソッとリビングを出た私が向かったのは結衣ちゃんが眠っている寝室。
様子が気になって見に行ったんだけど、部屋の扉を開けた瞬間聞こえて来たのは気持ち良さそうな寝息でホッとした。
「可愛いなぁ…」
起こさないように気を付けながら近付いて覗き込んだ寝顔は物凄く愛らしくて、自然と口からはそんな言葉が出た。
子供の寝顔は天使だとよく言うけれど、あれは本当だったらしい。
白い肌にプニプニのほっぺ。
スヤスヤ眠る結衣ちゃんは天使そのものだ。
寝ながらニコーッと幸せそうに微笑む結衣ちゃんはまだこんなに小さいのに…ちゃんと愛を知っている。
「ママ…パパ…」
結衣ちゃんが見ているのは大好きなパパとママの夢。
きっと両隣には芽衣子と旦那さんがいて、家族3人仲良く笑ってるんだろう。
家族って…いいな。
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