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結衣ちゃんと手を握り合ったままどのくらいの時間が経っただろうか。
床に座りベッドに突っ伏す私は、小さな手から感じる大きな温もりに癒されてウトウトしていた。
_____…ピンポーン
心地よさに誘われるように眠りの世界に入ろうとした途端、鼓膜を叩いたのはチャイム音。
それに反応して閉じかけていた目をパチッと開く。
「帰ってきた…のかな」
なんとなく誰だか察しはつくけど、一応確認するために結衣ちゃんの手をソーッと離して。
部屋の扉を開けてそこから顔を出し、少し離れた玄関の方へ耳を傾ければ聞こえてきた話し声。
微かではあるけれど、それは間違いなく知っている声で…
予想通り、芽衣子が結衣ちゃんを迎えに来たのだと分かった。
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