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「結衣ちゃん、ママ来たみたいだよ」
ベッド脇にしゃがみ込み、言いながら軽く体を揺すってみても結衣ちゃんはまるで起きる気配がない。
プールって大人でも体力消耗するし、こんなに小さい子なら尚更疲れてるよね。
無理に起こすのも可哀想だし、どうしよう…
と、悩みながら、ほぼ無意識のうちに結衣ちゃんに向かって手を伸ばす。
少し癖のあるふわふわな髪の毛を撫でてみるとすごく気持ち良さそうに微笑むから…
もう少し寝させてあげることにして、音を立てないよう静かに部屋を後にした。
…子供なんて嫌いだったはずなのに。
あちこち汚すし、うるさいし、次々面倒ごとを増やすし。
それでも…
パタン、と扉が閉まる音が響いたのと同時に、らしくもなく寂しいなんて思ったのは、紛れも無い事実。
たった数時間一緒にいただけなのに、子供って結構可愛いかもって思ったのだって…事実だ。
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