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「立ち話もなんだし入って?コーヒーでも飲んでってよ」
「そうしたいのは山々なんだけど…旦那、疲れちゃったみたいで車の中で爆睡してるんだよね。だからすぐ戻らなきゃ」
「そっか、残念。じゃあまたゆっくり話そう」
「うん。でもなぁ…もー!桃華に今日のこと聞いてほしかったのに~~!」
…そんなに楽しかったんだ。
よっぽど話したかったのか残念そうに眉を下げ、その場で地団駄を踏む芽衣子に思わず苦笑してしまったけれど。
話を聞かせてもらうために近々会う約束を取り付けると納得したようだった。
それから寝ている結衣ちゃんを起こさないようにと、彼が優しく抱っこして玄関まで連れてきて。
ソッと芽衣子にバトンタッチすると、芽衣子は一気に母親の顔になっていた。
「たまには夫婦二人もいいけど…今の私は結衣がいるからこそ毎日幸せなんだよね」
そう言う芽衣子の笑顔はさっきより何倍も眩しくて、子供の存在の大きさを知った。
みんなに当てはまるわけじゃないと思うけど、子供にとって親が全てで、親にとって子供は幸せの源で無償の愛をくれる存在で。
お互いを必要とし合って、愛を与え合う。
親子って…なんて素敵なんだろうって、そう思った。
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