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「じゃあまたね」
「あ…ちょっと待って芽衣子」
「ん?」
「あのね…」
帰ろうとする芽衣子を引き止め耳打ちする私に、隣にいる彼は不思議そうな顔をして首を傾げてる。
芽衣子は芽衣子で驚いたように目を見開いてるし。
でも、今この瞬間に感じた気持ちを絶対忘れたくないからちゃんと音にして伝えたい。
「____…いいかな?」
「うん、もちろんだよ!」
耳打ちで伝えた言葉に芽衣子は嬉しそうにそう答えてくれる。
目を見合わせ、笑い合って。
全てを曝け出したからこそ、芽衣子にも本音を言えるようになったんだ。
「ありがとう芽衣子。結衣ちゃんも…またね」
眠る結衣ちゃんのほっぺをツンツン、として玄関から出る芽衣子に手を振った時。
さっきまで感じていた心のモヤモヤがスッキリと晴れていくのを感じていた。
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