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「とりあえず暫くはもう休めないかもしれないから次休めた時はハワイでも行くか」
「なんでハワイ?」
「常夏の国だから季節関係なく海で泳げるだろ?
それにノルウェーやフィンランドなら一年の半分は冬だしスノースポーツだってできる」
「私が考えてるより規模が大きすぎる…」
きっとこれから先、こんな風に何度も驚くような出来事に遭遇するんだろう。
初めて知ることにワクワクして、初めて見る景色に胸が躍って。
「二人の内に行けるとこいっぱい行って、いつか家族が増えたとき桃華が気に入ったところにもう一度行けばいい」
「うん、そうだね。それまでは…聡を独り占めしてもいい?」
「ああ、もちろん」
知らない世界に足を踏み入れるのは怖さもあるけれど、彼と一緒なら…幸せだ。
目の前にある幸せを噛み締めるように、この瞬間を忘れてしまわないように。
彼の背中に手を回した私は、確かな温もりと愛を感じていた。
after short story 4 / end
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