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どうにか生涯独身を貫けないものかと頭を抱えていると、やっと父がリビングに顔を出す。
後ろに控えていた専属コック達は一斉に父に頭を下げ、用意していた料理を次々と運び始めた。
子供の頃から見慣れているこの光景も、おねーさんにとってはビックリだったようで、うちに来た時ポカンと口開けてたっけ。
「聡、律、すまない。待たせたな」
「いえ。お疲れ様です」
座っていた兄がサッと立って父に頭を下げるから、俺も一応同じようにしておいた。
さっきまでサンタがどうとか言ってたくせに。
しかし堅苦しい。もっと気楽な家族関係じゃダメなのかな。父が絶対みたいな空気が充満している実家は息苦しくて苦手だ。
本音を言えば、「へーい、今日もお疲れ親父~!」とか軽ーく言ってみたい。赤羽家から追放されそうだから言わないけど。
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