after short story 5(律side)

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リビングは静まり返り、シン…、とした時間が流れている。 あーあ、面倒くさい。 ちょっと意見したらこれだもん。 頭の固い人間にはなりたくないな。 ま、結婚の話を出されるよりはいいかと開き直った時、隣に座る兄が静かに口を開いた。 「父さん、安心してください。律はお飾りなんかじゃありませんから。少し捻くれてるだけです」 「…というと?」 「総合的に見れば仕事の能力ひとつ取っても俺より確実に上です。律がいなければロッソ・ピウマは成り立ちません」 …ちょっとそういうのやめてほしい。 誰もそんな言葉求めてないから。 適当に「こいつは本当に使えない奴」とでも言ってくれた方が気が楽なんだけど。 それに捻くれてるってなに?そんな風に思ってたなんて初耳。 「結婚してから早く帰宅することが増えたのですが、引き継ぎは全て律に任せています。仕事は正確にこなしスピードも早く、従業員達からとても慕われていますよ」 「そうか。それなら安心した。律、これからも頼むぞ」 こちらに視線を向けた父が嬉しそうに微笑むから反射的に笑顔で返した。 昔から要領良く生きてはきたけど褒められるのは苦手だったりする。 あれ…?もしかして、こういうところが捻くれてるのかな。
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