after short story 5(律side)

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食事を終えると、一息つく間もなく父は携帯を片手にリビングを後にした。 結局あれ以上結婚の話題が続くことはなく、代わりに父から好みの女性のタイプを聞き出された。多分、好みに近い女の子を探すつもりなんだろうけど放っといてくれたらいいのに。 俺は結婚したくない。これは変わらないんだから。 「律、さっきの話の続きだけど俺がサンタになるって具体的に何をすればいい?」 「…え、その話まだ続くんだ?」 「どうやったらサンタになれる?衣装製作はデザイナーに頼むとして…何か資格は必要なのか?」 「そんなレベル…?」 さっさと息苦しい実家を出て家に帰ろうと思ってたのに、話が長くなりそうだから使用人に頼んでコーヒーを淹れてもらうことにした。 同じ家で育ち、同じように教育を受けたはずなのに兄の思考はちょっと世間とズレている気がする。
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