after short story 5(律side)

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「ねぇ、」 「…なに」 「さっき受付で預けた紙袋、少し早いけど俺からおねーさんへのクリスマスプレゼントだから持って帰ってね」 「クリスマスプレゼント?」 「そ。中身はミニスカサンタコスだよ」 「…は?」 後ろに立つおねーさんはハサミを持つ手をピタリと止め、目を大きく見開いて鏡越しに俺を凝視した。なかなかいい反応。 「今年のクリスマスは、おねーさんがサンタになって兄さんを喜ばせてあげなよ」 「…馬鹿じゃない?変態なの?」 「口には出さないと思うけど、兄さんそういう格好大好きなんだよ」 「…っ、そ、そうなの?」 「うん。ミニスカサンタは男の浪漫だから」 「知らなかった…」 まぁそんな訳はないんだけど、普段クールなおねーさんを辱めてやりたいわけで。 同時に、おねーさんのために馬鹿になった兄同様におねーさんも兄のために馬鹿になれるか知りたかった。 というわけで、ネットでミニスカサンタコスをワンクリックしたんだけど… 変態ではなく兄思いの素敵な弟と言ってほしい。
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