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ーーーピンポーン
やっぱり出ない、か。
そういえばモニターに顔映るんだっけ。
てことは居留守で間違いないね。
うーん…と数秒悩み、スーツのポケットからあるものを取り出した。この場合は仕方ないと思う。
こんなこともあろうかと、ちょっとおねーさんに用があるからと兄にカードキーを借りてきて正解だった。
兄のいない間に、俺とおねーさんが家で二人きりになるのを露骨に嫌がっていたけど…
なんだかんだ、信用されてるから大丈夫。
「指一本でも触れたら絶縁。命もないと思え」ってすんごい形相で言われたけど余裕。
そもそも兄の幸せを壊す気なんて更々ないから。
一つ息を吐き、カードキーで鍵を開けるとこれまたすごい形相のおねーさんが玄関に立っていた。
出ようかどうしようか迷ってたらしい。
「やっほー。メリークリスマス」
「……」
無言の圧力がすごい。
何しにきたの?っていうオーラがバリバリに出てる。
ほら、おねーさんは会社の女の子達と違って複雑で難しくて面白い。
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