14.ありがとう

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…… 残された時間のことを考えれば、 焦っても当然だったのに。 たぶん2人だったからだろう。 私は焦っている姿を芳に見せまいとし、 きっと芳の方もそう思っていたはずだ。 『まだまだ時間はたっぷり有る』 そう装っていると 自然とそれが真実に思えてくるものだ。 ゆっくりと私達は前に進んで行く。 そう、楽しみながら、ゆっくりと。 「オバさんが一番、見込ありそうかなあ。 唯一、私達の復縁を喜んでくれた人だし」 「うーん。やっぱ交通費を考えると、 月イチの帰省がやっとって感じだな。 あ、そうだ…」 芳の提案で、 芳の実家にネット接続環境を整えた。 もともと地元のケーブルテレビに 契約していたのでネット接続も 利用可能な状態だったようだ。 機械オンチのオバさんに 何度も覚えるまで操作方法を説明し。 そうして芳のSNSを トップページにしておいて、 毎日私達の状況が見えるようにしたのだ。
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