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……
残された時間のことを考えれば、
焦っても当然だったのに。
たぶん2人だったからだろう。
私は焦っている姿を芳に見せまいとし、
きっと芳の方もそう思っていたはずだ。
『まだまだ時間はたっぷり有る』
そう装っていると
自然とそれが真実に思えてくるものだ。
ゆっくりと私達は前に進んで行く。
そう、楽しみながら、ゆっくりと。
「オバさんが一番、見込ありそうかなあ。
唯一、私達の復縁を喜んでくれた人だし」
「うーん。やっぱ交通費を考えると、
月イチの帰省がやっとって感じだな。
あ、そうだ…」
芳の提案で、
芳の実家にネット接続環境を整えた。
もともと地元のケーブルテレビに
契約していたのでネット接続も
利用可能な状態だったようだ。
機械オンチのオバさんに
何度も覚えるまで操作方法を説明し。
そうして芳のSNSを
トップページにしておいて、
毎日私達の状況が見えるようにしたのだ。
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