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挨拶もそこそこに、小暮は自家用車に乗り込むと風のように去っていった。
柳と村田は嵐でも去ったような心境で小暮のマンションの前に立っていた。村田は小暮の話していたことを手帳に書き足し、柳は部下たちに携帯電話で指示を出している。
「先輩がなんであの人に事件の解決を依頼したか分かりました」
電話を終えた柳に、村田が口を開いた。
「そうか?」
「目には目を歯には歯を、時短のことは時短のプロにってことですか」
「そうだな。あいつならきっと解決してくれるだろうと思ったよ。しかも短時間で」
「俺は警察の時短グッズじゃない」
柳と村田の後ろに小暮が立っていた。
その様子に柳も村田も熱帯魚のごとく、口をぱくぱくさせている。
「ええ!もう帰って来たんですか?いくらなんでも早すぎでは」
「車で移動したとしても間違いなくスピード違反だぞ」
「私としたことが、迎えに行く時間を間違えたようだ」
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