06愚者

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06愚者

「まずいわね、ちょっと拘束させてもらおうかしら」 騎馬の前に蔦がいきなり生えて来て、行く手を塞いだ、スピードが落ちた騎馬の地面から新たな蔦が現れ騎馬を拘束した。 『うわっ!動けない!』 拘束された騎馬の横を公爵領ゆかりの者と商会の馬車が通り過ぎる 『!!おおいっ!お前らも待て!行くな!反逆罪になるぞ!』 無視してエリザベスの所に向かう馬車 「忘れ物は無い?」 魔法陣の中に入って行く馬車に声を掛ける 「大丈夫ですオーナー!置いて来たのはガラクタ!ゴミだけです」 「忘れ物あったら言ってすぐ取ってきてあげる!私一人なら何処にでも移転できるからね」 「はい!」 「未練は無いわね?」 「期待と好奇心で一杯ですよ!」 商会の人たちは未来に夢を描いて居る様だった、目がきらきらしている 「裏切らないよ!きっと楽しい商売が出来る!」 「はい!」 魔法陣が輝くと馬車は消えた 「よし!移転完璧、<魔法陣消去>」 魔法陣の光が上空に上って消えた 蔦をどうにか切り刻んで、息を切らせながら馬を置いて来た騎士がエリザベスの前まで来た。 「エリザベス様、今ならまだ間に合います、王宮にお越しになり王に謝罪を」 「?なんの謝罪?私悪いことしてないわ、 皆故郷に帰っただけだし、王子から婚約破棄と国外追放されたので、 もうこの国の人間でも無い、その証拠に王から渡された、宝玉は割れたわ!」 石の無い指輪を見せる 「大人しく来ていただけないのなら拘束させていただきます!」 「貴方達では、私を拘束なんて無理よ、力の差も分からない程低能なの?」 「隊長、無理です敵うわけないじゃないですか、あの怒気が解らないんですか?」 「部下の方が優秀みたいね・・・あまりにも差があり過ぎると気が付かない事があるらしいわよ!くすっ」
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