…とアストロノーツはいった

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ちょうど1年前のこの時間、予測不可能な現象が起きた。これはもう若さとか経験値とかの問題じゃない。 おそらく笠井先生にだって予測できなかった。 突然私は白い太陽に大きく目眩がして地面に倒れてしまって、でも駐輪場の自転車も同じくみんな地面に寝そべる形で倒れてしまった。 突風が吹いた訳じゃない。空は今日みたいに穏やかでいい天気。全ては太陽の方角に向かって地面との接点を中心に90°回転したのだ。 代わりに垂直に立ち上がるのは、影という影。そして影、また影。 そびえる黒い影、影、影に襲われるのかと思いきや、太陽は変わらず光を注ぐし、影は何食わぬ顔して…顔があればの話だけど、日常を演じている。 まさに主と従の立場大逆転。 本来私が倒れたなら、影も私と共に寝そべるべきでしょう? なのに私たちオリジナルと影が入れ替わって、立ち上がるのは影の方だなんて、こんな未来は誰にとっても期待値1/無限大(むげんだいぶんのいち)。 ねえ、誰か…平面に貼り付いたせいで首を回すこともままならない。必死になって瞳をキョロキョロ動かすけれども白い校舎の真っ黒な影には窓もない… とにかく視界に立ち上がるものは全て黒い。ただ黒いだけの影。 (ねえ、だれかーっ)     
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