第1章 セクシーサービス事始め

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「それで褒めてるつもりか、お前。阿呆なことしか書いてないってのと役立たずってことしか頭に入ってこないぞ、今の論評」 青山くんは不満げにピスタチオナッツの殻をばりばりと剥いた。文体は飄々としてるけど本人は意外にごく普通だ。結構つけつけと文句も言うし不平不満も並べ立てる。正確な年齢は知らないが多分ほぼ同世代、ってこともあるけど、あんまりわたしと話してる感覚は変わらない。特別大人なところもない。 最初のうちは自分よりできるライターの先輩、と思ってかしこまってたけどだんだんそういう気後れもなくなって、今ではごく普通の気安い友達だ。 よほど気が合った、としか思えない。先述した通りわたしは誰とでも仲良くできるタイプのオープンな性格ではない。青山くんの方はそうかもしれない。だからわたしみたいな特に面白味もない人間とも楽しくやっていけるのかも。     
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