第1章 セクシーサービス事始め

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仕方ない。この部屋にカメラとか仕掛けられてる可能性もなくはないけど。もう、そこまではこっちもいちいち突っ込んでられない。奴のことだから一人で愉しむくらいで、ネットに流出させたりはしないだろう。そのくらいにはわたしのことも考えてくれるはずだ。そう割り切って袋の中身を潔くベッドの上にぶちまける。…まじか。 何だ、これ。 「…布地面積少な…」 思わずひとりごちる。まあ、それは想定しておくべきだった。普通の服装でいいって言ったって、動きやすいジーンズと緩いTシャツでOKとはいかないわけだ。それこそ水着とかレオタード用意されなかっただけだいぶいいのか。別にコスプレでもないし、メイド服とか制服とか。だけど単純に露出面積でいうと、ワンピースタイプの水着とあんまり変わんなくないか、結局? 「…ん?」 何だ、これ? 服の間からぽろ、と溢れ出たそれに思わず眉間に皺が寄る。タンクトップとデニム地の極端に短いショートパンツ、そっちはまぁわかるけど。…なんで、ブラ? これを着けろっていうの? 「ちょっと。…何これ?わざわざブラ付け替えろってこと?」 「あ、それ」 ドアノブに手がかかった音がして、慌ててそっちに声をかける。 「いやいちいち入ってこなくていいよ。てか、何であえてブラ用意したの?どうせ上からタンクトップ着れば隠れちゃうでしょ」 「ああ、それね。…寄せて上げるやつ、思いっきり」 わたしは新品のブラをつまみあげてまじまじと観察した。…ほんとだ。     
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