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「お前、確かCでよかったよな。せっかくだから谷間めっちゃ強調してくれたらありがたいんだけど。いや、ちょっと迷ったんだよ。ノーブラのぴっちりタンクトップも捨てがたいなぁと。正直俺はそっちでもいいと思うんだけど。ブラなしにする?」
「…いえ。使わせて頂きます」
わたしは諦めの境地で従順に答えた。仕方ない、こんな話に乗ったわたしが悪い。『普通の』服装でいいって言われたって所詮はセクシー家事サービス。それでも裸よりは全然ましだ。
床磨いて窓拭いて、お金頂けるんなら。それで今月ちょっと助かるわけだし、正直。
そう考えつつ割り切り思いきって自分の服をばさばさと脱ぎ捨てる。それにしても。
赤の薄手のぴっちりタンクトップはともかく、このショートパンツ。つまみあげてつくづく観察するに、多分普通の長い丈のデニムをざっくり切ったものだと思うが。何もこんな脚の付け根ぎりぎりで切ることないじゃん?
もうほとんど食い込んじゃう。パンツ見えそう。
こんな丈のもの人前で穿いたことない。
「…おお」
全部身につけて出て行くと、青山くんは爛々と目を輝かせてわたしを見つめた。ちょっとまじで怖いかも。身の危険を感じる食いつきようだ。
こいつ、こういう奴だったとは。今までの付き合いで女扱いされたこと全然なかったからちょっと油断した。
わたしは胸の内側で密かに身構える。とにかくここは最後まで乗り切って、無事にこの部屋を出られたら御の字だ。
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