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第一話 嵐を呼ぶ女
(愛を胸に抱きしめて)
輝く魔法の夜。
夜毎、熱く愛を確かめる。
サトウ楓の燃えるような紅葉が眼下に広がるロッキー山脈の屋敷に、無理やりセイラを閉じ込めて一か月。初冬の夜のことだった。
粉雪が舞い始めた山々に、薄く積もった雪景色。そんな風景が寝室の窓の外に広がっている。
温かなセイラの身体を抱き寄せて、甘い夢に微睡む彼は不吉な夢を見ていた。
渦巻く潮に呑まれ、蒼く輝く龍が海底深く沈んでいく。
「セイラ・・」、思わず叫んだ。
うなされ、ハッとして目覚めた。
恒星は腕の中で眠るセイラを抱き寄せ、その身体に手を這わせて確かめる。
セイラが柔らかな笑みを浮かべると、彼の胸に身を寄せた。
「あぁ、夢か・・」
セイラの髪に顔を埋めて呟くと、恒星は目を閉じる。彼の腕の中で眠るのは、掛け替えのない彼の宝物。
優しい香りのするセイラの身体をそっと腕の中に包み込むと、恒星はまた甘い眠りに落ちて行った。
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