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「ほんとに水が滴るいい泉になっちゃったよ! これは吉住サンも吾輩が色男だと認めてしまったに違いないのである」
そっちこそ何のキャラなんだよ。キャラのバリエーション増やすんじゃないよ。
「どーせ胸ある子がお好みなんでしょ」
「いや、胸の有無はどうでもいい!!」
しまった。変なスイッチを押してしまったようだ。
「胸にはな、夢と希望が詰まってるんだ。だからって、大きい方がいっぱい詰まってるわけじゃないぜ? 巨乳にも貧乳にも、等しく詰まってるんだ。貧乳は詰まっているものが見えないだけなんだ。つまり! 胸の大きさは可視の夢がどれだけあるかによって決まるので、それによって女性的価値が下落することは一切ない!!!」
「あ、ごめん。聞いてなかった」
「この俺の高説をスルーするだと……!? 結構いいこと言ったのに」
学校ならともかく、道端ではこいつと歩きたくない。次からは話しかけられても他人の振りをしよう。
そしてこいつは何故さっきから私のあとをついてくるんだ。
「道こっちなの?」
「違うけど、お前ん家行こうと思って」
「はいい?」
こいつの奔放さにはほとほと呆れる。私は今来た道を引き返した。
「吉住サンや。踵を返してどうしたんだい?」
無視。
「あの、どこ向かってんの?」
「交番」
「やめんしゃい!!」
肩をがしりと掴まれた。
直に触られたようで気持ち悪い。早くシャワーを浴びたい。
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