第1話 足?もしや臭いのか?

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 ……とほほ。情けない。  資格やスキルでもあれば、ここまで再就職に苦労せず済んだのだろうか。なんでもいいから取得しとけば良かったなー。  …………仕事辞めるの早まったかなぁ。  等と考えていると、近所の奥様達だろうか。  井戸端会議をしている一人と目が合う。  少し、ふっくらしたそのおばさんは、ぎょっとした顔をしてこちらをみつめている……。  んん。なんでしょうか。  平日の昼間の公園にいる男なんて、井戸端会議の格好のエサなんだろう。  だが、他の奥様達もぎょぎょっとした顔つきで一斉にこちらを見始める。  心なしか顔がひきつっているような、青ざめているような・・・ 「きゃあぁぁぁ! 足がっ!」  一人のマダムが叫ぶ。  え? 足?    もしや臭いのか?  確かに朝から1日履きっぱなしだし、暑さで汗ばんでるけど、そんな遠距離攻撃出来るほどでは……  と、足元を見ると  あれ? 俺の足、消えているよ!?  膝下まで消えていて、見えるはずの無い地面が見えている。しかも膝下から膝小僧へと、上に向かってどんどん消失していくじゃないか。 「なんじゃこりゃ!!」  奥様達は助けるでもなく、キャーキャー言いながらスマホを取り出して撮影を始めている。  このばばぁ共!!  あっという間に膝小僧か消え、太ももが消え、腰が消え、胸が消えた。  そして生首状態となった俺は、次第に意識を失っていった。
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