第2話 ゴリラだ。

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 気を失っていた俺をどうやら心配してくれていたらしい。  しかしあまりの出来事に頭が真っ白になり、すぐには答える事が出来ない。 「お前はそこの噴水のそばに倒れていたんだ」  太い人差し指が差す方を見ると、立派な噴水が見える。  確か公園にいたはずだが……  見渡すとレンガ作りの建物や石造りの建物が建ち並んでいる。足元には石畳が規則正しく並んでいる。  ここは広場だろうか。  すぐ近くには大きな葉をつけた巨木があり、俺のいる場所は日陰になっている。  どうやらここまで運んでくれたらしい。 「えーと。ありがとうございます」  素直にお礼を述べる。 「気にするな。困った時はお互い様だ。ウホッ。」  お礼を言われて嬉しいのか胸を叩きながら、ウホウホ言いながら小さくジャンプしている。よく見ると腰には黒い布を纏っている。  まさかドッキリか?  しかし目の前のゴリラはとても着ぐるみの様には見えない。  意識が段々とはっきりするに連れ、公園での出来事を思い出してきた。  悲鳴、そして徐々に消えていく身体。  もしや、これは、つまり。  「異世界」ってやつじゃないのだろうか!!
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