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瞬間、雑誌の裏の怪しい広告の様な言葉が脳裏にうかぶ。
・チートスキルであなたも無双!
・美少年に生まれ変わりハーレム状態!
と、目の前でまだウホウホ言ってるゴリラを見て不安になる。
まさか……猿の惑星じゃあるまいな。
よろよろと立ち上がり、噴水まで歩いていく。
喉が乾いてるのもあるが、美少年になっているのか、確認しなければならない。
これは再重要事項である。
噴水までたどり着き、恐る恐る水面に映った顔を確認する。
うん。
何も変わっていない。
30年間付き合ってきた見慣れた顔がそこにはあった。
いや、ゴリラになってないだけ良かったとするべきか。
ただ、よく見ると心なしか、いやはっきりと左頬が腫れている。このゴリラはどれだけ馬鹿力なんだ。
「殴ったな! 親父にもぶたれた事無いのにっ!」
と、ものは試しに言ってみると、ゴリラから予想外の答えが。
「殴ってなぜ悪いか。だからお前は甘ったれなんだ!」
……どっちだ?
ここは異世界なのか。
「疲れてるんじゃないウホか?向かいに俺の店があるウホから、そこで休むといい。ウホッ」
ウホは万能か。万能なのか!?
聞きたいこともたくさんある。ひとまずお言葉に甘え、俺はゴリラの後をついていくのだった。
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