第2話 ゴリラだ。

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 瞬間、雑誌の裏の怪しい広告の様な言葉が脳裏にうかぶ。  ・チートスキルであなたも無双!  ・美少年に生まれ変わりハーレム状態!  と、目の前でまだウホウホ言ってるゴリラを見て不安になる。  まさか……猿の惑星じゃあるまいな。  よろよろと立ち上がり、噴水まで歩いていく。  喉が乾いてるのもあるが、美少年になっているのか、確認しなければならない。  これは再重要事項である。  噴水までたどり着き、恐る恐る水面に映った顔を確認する。  うん。  何も変わっていない。  30年間付き合ってきた見慣れた顔がそこにはあった。  いや、ゴリラになってないだけ良かったとするべきか。  ただ、よく見ると心なしか、いやはっきりと左頬が腫れている。このゴリラはどれだけ馬鹿力なんだ。 「殴ったな! 親父にもぶたれた事無いのにっ!」  と、ものは試しに言ってみると、ゴリラから予想外の答えが。 「殴ってなぜ悪いか。だからお前は甘ったれなんだ!」  ……どっちだ?  ここは異世界なのか。 「疲れてるんじゃないウホか?向かいに俺の店があるウホから、そこで休むといい。ウホッ」  ウホは万能か。万能なのか!?  聞きたいこともたくさんある。ひとまずお言葉に甘え、俺はゴリラの後をついていくのだった。
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