第3話 異世界「ハイム」

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第3話 異世界「ハイム」

「帰ったぞ~。ウホッ」 「close」のプレートが掛かった木製のドアを開け、ゴリラの後に続く。  店内は薄暗く、丸形のテーブルや椅子が配置されている。  全部で30~40人は座れるだろうか。  テーブル同士は広く間を取られており、店内は思ったよりも広めだ。  奥にはカウンターがあり、  食堂か、酒場と言った雰囲気だ。 「遅かったわね」  と、カウンターの横の扉から、気だるそうな声を出しながら女性が現れた。  !?  人間っ!?  眼を見開き女性を凝視する。  一見すると人間の様だ。  しかしよく見ると、額から二本の小さな角の様なものが生えている。足元には細長い尻尾も見える。また、薄明かりと相まって良く見えないが……黒い翼もあるのか?  女性はズルズルと尻尾を引きずりながら近寄って来た。 「なぁに見てるのよ……お客さん?」  明らかに人では無いその姿に警戒をしていたが、近くで見ると、凄い美人さんだ。  長い黒髪に胸元が大胆に開いたドレスを着ており、なんとも言えない色気を放っている。眠たそうな口調も……いいじゃないか。  一気に警戒心が薄れていく。  我ながらアホである。
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