第3話 異世界「ハイム」

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「広場に倒れていたウホよ。さっき眼を覚ましたばかりだから、とりあえず連れてきたんだ。ウホッ」 「相変わらずお人好しねぇ……まぁ座りなさいよ」  そう言われ近くのテーブルに移動し、それぞれ椅子に腰掛ける。  ゴリラには椅子がかなり小さいらしく、時折バランスを崩しそうになっている。 「あの……さっきは助けてくれて、ありがとうございました!俺は島津 洋介って言います」  まずは俺から改めてお礼を述べた。  助けられたと言うよりは、ただ殴られただけの気もするが……  しかし気を失ったままだったら、どんな目にあったか分からないしな。 「それじゃこちらも自己紹介をするウホ。俺はこの町で酒場を営んでいる獣人のダズ。こっちは嫁のナージャ。よろしく、ヨースケ。ウホッ」 「あたしは人間とドラゴニュートのハーフよ……。よろしくヨースケちゃん」  二人が結婚している事にも驚いたが、何よりも「人間」と言うワードに飛び付いた。 「人間がいるんですかっ!?」 「そりゃあいるわよ。ヨースケちゃんは……もしかしないでも『転移者』かしら。違う世界から来たんでしょ?」 「えっ!」 「はい……」 「たぶんその通りだと思います」 俺は二人に公園で起こった事、日本から来た事を話した。
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