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【デルグ王国南部国境地帯】
デルグとゲイメン王国を隔てる国境付近の駐屯地に、シルビ将軍が東部の兵士を連れ立って合流した。
駐屯地のナリーサ大佐:「シルビ将軍。お久しぶりです。それにしても物凄い数の兵を連れ立ってきましたね。」
シルビ将軍:「久しぶりだな、ナリーサ。若くして大佐への就任おめでとう。風格も兄のデルグ王に似てきたな。」
ナリーサ:「このロスタシアで『4人の豪傑』と謳われる中のシルビ将軍が来られた以上、デルグ南部は無敵です。」
シルビ将軍「『4人の豪傑』と呼ばれる1人はゲイメン王国にもいるよ。」
ナリーサ:「ギラムのことですね。父から彼は残忍だと聞いています。」
シルビ将軍「ギラムの智慧を侮ってはならない。しかし、これだけの増員、果たして、ここの兵糧が持つかな。さっそくだが、ゲイメン兵の動きを教えよ。」
ナリーサは、早速,シルビ将軍をテントに招き、地図を広げゲイメン兵の動きを詳細に説明した。
シルビ将軍:「ここから3キロ先の敵の大きな兵器は、火力の類か?」
ナリーサ :「おそらく。我々が手にしていない技術が向こうにはあるのかもしれません。といっても我々の技術は火縄(銃)くらいですが。」
シルビ将軍:「アストスから技術が漏れているのかもな。ところで向こうの兵力は?」
ナリーサ:「5000です。」
シルビ将軍:「なに?5000?それだけで,デルグ王は、東から我々3万兵を呼びよせたのか…。何か脅威でも?」
ナリーサ:「ゲイメンの兵器が巨大な火力だったとしても、所詮、砲弾は1つ。さらに、点火,発砲,充填までに時間がかかります。我々,騎馬兵の突撃に勝りません。」
シルビ将軍:「だといいが…。」
【ゲイメン側、デルグ領土国境付近】
ゲイメン領では、ギラム将軍が高官らを連れ,騎馬で高台に上り,デルグ側国境付近を眺めた。
ギラム将軍:「準備は整ったか?」
高官A :「あと数日ほどで。」
ギラム将軍:「ゲイメン王の読み通り,シルビも到着したようだ。」
高官A :「我々の前線の兵力や火力兵器も偵察されております。」
ギラム将軍:「それでいい。シルビを相手するのは,これで4回目…。
ついに豪傑の1人が散るか…」
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