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遅めの昼食をとるために春斗は商店街へと足を運んだ。1人歩く見慣れた道には暁高校の制服を着た生徒が多く歩いている。
春斗もその1人だ。
春斗『さって~、なに食うかな~』
徘徊している春斗。だが脳裏に浮かぶのはご飯のことよりも桜の顔だ。
春斗『……ダ~メだ、全部桜が出てきちまう』
我ながら呆れてしまう。好きな気持ちは誰にも負けないがまさか自分の食欲よりも優っていたとは。
『おぉ~おぉ~可愛いね!今年の新入生は』
声の方向を見ると3人の男子生徒が女子生徒3人を囲んでいた。会話を聞く限りでは上級生の男子生徒と新入生の女子生徒といったところだ。
春斗『あんな古典なきなナンパ今でもあるんかね』
やれやれと苦笑いの春斗。桜一筋の春斗にとってはナンパなんて全く無関係だ。それに大概、ここで関われば必ず面倒に巻き込まれる。
春斗『てな訳で、適当にナンパされちゃってくださ~い』
春斗は歩きだし散策を開始した。
桜『ホントにやめてください!』
春斗『!!!!!!!!』
歩きだしたはずの春斗は立ち止まり、勢いよく振り返る。ナンパされている新入生、その1人が春斗の想い人、印東 桜だった。
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