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春斗『はぁ~あ早く学校行きたいな』
桜『検査入院ももうすぐだしあと少しの辛抱でしょ』
まるで退屈を凌ぐ子供のように足をバタつかせる春斗を見て桜は笑みを浮かべていた。
春斗『今日さ夢を見たんだ』
桜『夢?どんな?』
首を傾げる桜は春斗の顔を覗き込む。普段はふざけて桜を笑わす春斗が今日はどこか違う雰囲気。
それが夢のせいだと思うと興味が湧いた。
春斗『入学式の夢。俺たちがまだ高1の頃の』
桜『あ~。懐かしいわね入学式』
桜にも思い入れがあるようで懐かしむ桜の表情は柔らかかった。
桜『思えばあの時からなのかもしれないわね。私達がこうしているようになったのって』
春斗『俺はけっっっこー前から好きだったんだけどな~』
桜『ふふっ、ハイハイ』
微笑を浮かべる桜。桜にとっても春斗にとっても、入学式のその日は2人にとって始まりの日であった。
後に春斗が【暁の英雄】となるきっかけの日でもあった。
そして時は2年前の春に遡る。
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