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大志『よう!』
下駄箱に到着すると隣のクラスの幼馴染、遠藤 大志が待っていた。大柄な体格と器量もあって彼はみんなの兄貴分だ。
麻里華『大志ー!』
春斗『みんなある程度バラけちまったな』
大志『春斗良かったな、念願の桜と同じクラス』
春斗『おうよ!いやー死ぬ気で勉強した甲斐あったわ』
本来、春斗の偏差値では暁高校は絶望的と言われていた。しかし周りのサポートのおかげで春斗はこうして暁高校へと進学する事ができたのだ。
大志『この後軽く部活見学してくんだけどお前らもどうだ?』
春斗『あー俺はパス。部活とかめんでぃーし』
春斗はそそくさにローファーに履き替え、外へと出て行った。
麻里華『行っちゃった』
大志『さすがは志望動機“桜がいるから”って書いただけのことはあるわ』
春斗『ただいまー』
徒歩約20分、春斗は我が家である本郷家に到着した。母親は世界を股にかけるデザイナーで家にいるのは年に1回というほど多忙な人。
『おう、お帰り。もう帰ってきたか』
そして父親は地元では有名な花火職人。
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