神様のポケット

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 オナカのグルグルを数えていたら一週間がすぎたのが分かりました。回っていたはずなのに、今は止まっています。フワフワは続いているけれど、いつの間にか景色のクルクルが無くなって、待っても、待っても、オナカのグルグルはやってきません。グルグルがやってこないからゴハンのコロコロもやってきません。お星様のキラキラが見えなくなった代わりに、景色の全部がキラキラに見えます。ライカは不思議な気分になりました。 「ここはどこだろう?」  ずっとお腹の空かないことを不思議に思ったライカは自分の脚を噛んでみました。痛さに飛び上がりると思っていたのに痛くはありませんでした。  キラキラはライカの全てを包みました。それは、今までずっと夜の中にいたのに、とつぜん朝がやってきたような気分でした。相変わらずフワフワはしているけれど、世界の全てが止まってしまったような気がしました。ライカはそこがどこだか分かりませんでした。なんにも無いキラキラだけだと思っていたら、明るさに目がなれるとギラギラするカラフルで愉快なものだらけなのにびっくりしました。 「おまえ、見かけない犬だな」  ライカは遠くから聞こえるその声に目をやりました。   はるか向こうで小さな白いウサギが手まねきしていました。 「ウサギさんの呼んでいる方に行きたいけれど、キカイに挟まれて身動きが取れないや」  そう思いながらジタバタしていたら、あっという間にそのウサギのほうがライカの目の前にやってきました。 「なんでオマエ、そんな狭いところにはさまってるんだ? まあ、気持ちは分かるぜ、狭いところは落ちつくもんなあ」  目の前のウサギは言いました。小さいウサギだと思っていたのに、トンデモなく大きなウサギでした。そのウサギの前ではライカの乗ったロケットがニンジンくらいの大きさにしか見えません。 「好きでここにいるんじゃないんです。出ようと思っても出られないんです」  ライカは泣きそうな顔で言いました。
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