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いざ戦端が開かれれば、この船が強襲される事でも無ければ基本サトルは待機をしているか、強襲用艦艇で別の船に攻め込んでいるかだ。
次に会えるのは恐らく、この戦闘が終わった時であろう。
勿論、お互いに生きていればの話ではあるが……。
「……死ぬなよ。」
ルカがそう言うと、ふっとサトルが笑った。
「俺のような、人造人間が死ににくい様に人体を改造されているのは常識だろ?……それに“俺”がいなくなったとしても、また“俺”が作られて戦場に送り込まれるだけだ。」
その言葉を聞くとルカは痛みをこらえるように顔をしかめた。
そのまま、ルカはサトルの米神の後ろに手を添えた。
――ドゴフッ
痛そうな、音が響いて、ルカもサトルもしゃがみこむ。
ルカがサトルに頭突きをしたためだ。
「くそっ、痛ってーな。」
「おま、強化人間に頭突きとか何考えてんだよ。イタタ……。」
「はっ、ざま―見ろ。俺の頭がい骨の威力を思い知ったか。」
もう大人と言って差し支えないであろう二人が何をやっているんだ。そう思わないでもない。
どちらとともなく、ふふ、ふふふと笑いあう。
「俺の作戦指揮で絶対にお前を生きて返すから。」
そう言うと、すたすたと船室から出ていってしまったルカ。
「それはこっちのセリフだって―の。」
相手のいなくなってしまった船室で一人サトルは呟いた。
END
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