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そう言いながら、うっすらと頬を赤くする水野君。
やべえ、なんかニヤける……
「ごめん。でも、なんか嬉しい」
素直な気持ちを口にした。でも、すぐに気を引き締める。
「なんで水野君に誤解されるような事になったのか、話すから聞いてほしい。白石さんの許可ももらえたし」
「はい……」
水野君は、ゆっくり頷いた。一応、これから話す事を誰にも言わないように口止めする。
水野君は「もちろん言わない!」と約束してくれた。うん、信じてるから、話すんだけど。
うまく話せるか自信はないけど、言葉を選びながら、ゆっくりと話す。
本屋の駐車場で、偶然白石さんと会い、助ける形になった事から話し始めた。
白石さんが、県外で働いていた時の事はいいだろう。必要な事だけを、慎重に考えながら、言葉を続ける。
水野君は静かに、時折、眉根を寄せながら聞いていた。
「白石さんは親友の為に身を引くという事で、本当にいいんですか?」
水野君がそう言った時、ハッ!とした。俺も、同じ事を言ったから。
野球大会の日に、俺と白石さんが抱きあっていたとか、名前で呼びあっていたとか……
やましい事はしていない!でも、思ったように説明できてない。なんとなく、追い詰められているような気分になる。
そんな俺を見て、水野君が笑った。
「わかりました。白石さんの元カレと、会ったんですか?」
「ああ……翌週の土曜日に会って話をして、大丈夫かなあって思った。それで、俺の役目はおしまい!」
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