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一瞬目を閉じ、すぐに開く。伝えたかった想いを込めて、彼女を見つめる。 「『愛しい』と思ったから。君に触れる事を、どうしても我慢できなかった」 水野君の瞳から、涙が溢れた。俺は、愛しい彼女を抱き寄せる。 やっぱり、泣くんだ…… 水野君も、俺の背中に腕を回す。とても穏やかな気持ちのはずなのに、彼女の温もりを感じていると、少しずつ鼓動が早くなってくる。 水野君、気付くかな?なんて思いながら、それでもいいかと、彼女を抱きしめた。 「また、ワイシャツを汚しちゃいました」 そう言って、水野君が顔を上げる。 「洗えばいいから」 と、愛しい想いのまま見つめる。 顔を近付けると、水野君が静かに目を閉じた。 彼女の柔らかい唇に、そっと触れて離れた。 「今日は、飲んでないよね?」 吐息が、熱を帯びる。 「はい……」 彼女の吐息も、熱を帯びている。 「じゃあ、全部覚えてて」 彼女が答える前に、唇を塞ぐ。触れては離れ、角度を変えながら、何度も、何度も。段々と、それでは足りなくなってくる。 自分の唇で、彼女の上唇、下唇をそれぞれ、やわやわと食む。彼女の唇の柔らかさと、甘さを味わいながら、やべえ……止まらなくなったら、どうする……?なんて思っていた。 前回の事を思い出し、無理をさせないように顔を少し離した。 すると、彼女が自分の手で、サッと口元を押さえた。 「ブシュッ!」 「っ!」 「ずびばせん……」
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