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「コンビニぃ?」
昼休み、学校の教室で歌恋と昼食にしようとした安里に彼女がコンビニに行きたいと言い出した。
「なんで? 学食用にお金、もらっとるんじゃろ?」
「うん。でも、憧れるの」
歌恋は裕福な家庭の生まれで、父親が弁護士、兄は公認会計士だ。母親は主婦だが、料理は苦手だそうでお弁当を作るという習慣がない。
いつもは学校に併設されている食堂で食べている。私立高校らしくそれなりの品揃えだ。
一方の安里は真逆といっていいほどで、いわゆる“普通”の家庭だ。父は会社員、母はパート。
弟もいて、彼はまだ中学二年生だ。いつもお弁当を持たされている。
「でもさー、もし先生にバレて歌恋のお父さんに話がいったら……」
何か言われるのは間違いなく安里である。
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