1. コンビニ跡地

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 放課後、授業が終わり安里と歌恋は教室で残って話をしていた。 「久我さん、白珠さん、ばいばーい!」 「うん、またねー!」  クラスメイトたちを見送った2人は席につく。彼女たちは前後の席で、安里は椅子の向きを後ろの歌恋のほうへ変えて座り頬杖をついた。  歌恋は机のうえで両手を組んでいる。話題はもっぱら、進路のことだった。 「歌恋は、行く大学決めとるの?」 「うん。親がいってたところに行きなさいっていわれてて」 「ふーん。そこでええの?」 「……うん、とは、言えないかな」  安里が歌恋を見る。  彼女の目には前髪が少しかかり、夕焼け空の色がにぶく亜麻色を照らしていた。眉を下げて、困ったような笑いを顔に浮かべる。
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