お孫さん、お連れします

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 止めたのは由美子だった。 「正一くんを蹴ったら、DVになっちゃうでしょ! 法廷で不利になるよ」  さすがバツイチの由美子、説得力がある。裁判という名の修羅場をくぐった女は強い。 「そしたら正一は何なの? あたしが暴力のDVなら、こいつは態度のDVだよ! 育児なんかほとんどしない」 「してますよ」 「いいとこ取りだけじゃない! 沐浴やウンチオムツの交換したこと、一度もないでしょ!」  紗矢が泣き崩れる。なんて男だ! 「そりゃ君が悪いな。正一くん、おとなしく殴られなさい」 「お義父さん!」 「ちょっと待った」  由美子が紗矢に近づいた。 「やめなさい、主婦も育児も」 「えっ、いいの?」  紗矢が泣き止む。由美子はゆっくりうなずいた。
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