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まぁ、そうやって頬を膨らませてむくれる姿は大変愛らしく、どれだけ見ていても飽きないのだが。
その時、ふとある建物の存在を思い出した。
都合がいいと言えば、神社なんかもそうだな。お賽銭入れて、願い事を叶えてもらおうとするやつ。
「あぁ、アレじゃな。アレは本当にアコギな商売よな。大体考えても見ろ、人間が使う通貨を供えたって、わしには何の関係もないじゃろうて」
そう言われれば、そうだな。
もし仮に神がいるとするなら、人間の通貨なんて必要としないはずだ。
なにせ、願いを叶えることが出来るのだから。金なんて、貰わずとも造ってしまえばいい。
「そうじゃろ、そうじゃろ。まぁ、造ったところで使い道がないんじゃがな」
じゃあ、神様は誰の願いも叶えたことがないのか?
「いや、極々たまに、ホントに気が向いた時だけじゃが、何回か叶えてやったことはあるぞ。……両手の指で足りるほどじゃけどな」
へぇ、とりあえず今後、神社に拝みに行くのは止めにしよう。
意外な事実を知り、俺はそう決意すると神様は頻りに何度も頷いている。
「うむうむ、それが良かろう」
…………………………………………。
「…………………………………………」
そこでふと、会話が途切れる。
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